ニュースで「大規模な太陽フレアが発生しました。クラスは最大級のX(エックス)です」という言葉を聞いたことはありませんか?
地震に「震度」や「マグニチュード」があるように、太陽の爆発にも「格付け(クラス)」があります。 では、このランク付け、一体誰が判定しているのでしょうか? 実は、太陽専門の探査機ではなく、「地球の天気を撮っている気象衛星」が決めているのです。
今回は、知っているようで知らない「フレアの等級」と、その審判員「GOES」のお話です。
審判員:気象衛星GOESのもうひとつの仕事

アメリカの上空に、GOES(ゴーズ)という衛星が浮かんでいます。 これは日本でいう「ひまわり」と同じ、気象衛星です。 普段はハリケーンや雲の写真を撮って、天気予報に貢献しています。
しかし、彼にはもう一つの重要な「副業」があります。 それが「太陽からのX線の強さを測り続けること」。
太陽で爆発(フレア)が起きると、強いX線が飛んできます。 GOESはそれをキャッチし、「あ、今の数値は基準を超えたな。これはMクラスだ!」と即座に判定を下します。 世界中の宇宙天気予報は、このGOESの判定を基準に「警報」を出しているのです。
階級:5つのランク
フレアの強さは、弱い方から順にアルファベットでランク付けされています。 A、B、C……ときて、次はDではなくMになります。
- Aクラス・Bクラス: (そよ風レベル)
- 常に起きています。地球への影響はゼロといっていいほどです。
- Cクラス: (小規模)
- これも頻繁に起きます。影響はほとんどありません。
- Mクラス: (中規模)
- ここからがニュースになります。
- 「Medium(中間)」のM。軽い通信障害が起きたり、極地でオーロラが見えたりします。
- Xクラス: (大規模)
- 「eXtreme(究極)」のX。最強ランクです。
- これが起きると、世界中で無線が止まったり、GPSが狂ったりする可能性があります。
豆知識:Xの上はあるの?
「Xクラスが最強」と言いましたが、実はXの中にも数字がつきます。 X1、X2、X3……と数字が大きくなるほど強くなります。
では、過去最強は? 2003年に観測されたフレアは、なんと強すぎてGOESのセンサーが振り切れ、後から計算し直した結果「X45」と推定されました。 (※ちなみに1859年のキャリントン・イベントは、今の基準だとX40〜50相当だったと言われています)

日本の「ひまわり」にも、実は太陽を見るセンサーがついていたことがありますが、現在はアメリカのGOESのデータが世界標準として使われています。
もしニュースで「Xクラスのフレア」と聞いたら、 「アメリカの天気予報衛星が『今のすごいぞ!』って叫んだんだな」 と思い出してください。 いつものニュースが、少し違って聞こえるかもしれません。
参考文献
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