]流星群のニュースをみるたび、「なんで毎年同じ時期に、同じ場所から星が降ってくるんだろう?」と不思議に思った方はいませんか?
宇宙が広いからといって、星たちが偶然、一箇所に集まって飛び込んでくるわけではありません。 実はこれ、地球が「あるもの」に突っ込んでいるから起きる現象なんです。

彗星は「お掃除下手」な旅人
犯人は、宇宙を旅する「彗星(すいせい)」です。 彗星は氷とチリでできていて、太陽に近づくと表面の氷が蒸発してチリや砂粒を軌道上に残します。このチリの粒は多くが 砂粒や米粒ほどの小さなサイズ で、何世代にもわたり軌道上に散らばっています。

つまり、彗星が通ったあとには、目に見えない「チリの集まり」ができあがっているんです。
地球が「川」を渡る日

Comet’s orbit: 彗星の軌道 / Earth’s orbit: 地球の軌道 / Sun: 太陽
地球は1年かけて太陽の周りを回っていますが、その道中で、この「チリの集まり」を横切るタイミングがあります。 それが、毎年決まった時期(流星群の日)なんです。
想像してみてください。 車で高速道路を走っているときに、突然「猛吹雪」のエリアに突っ込んだらどうなりますか? フロントガラスに向かって、たくさんの粒が飛び込んでくるように見えますよね。
私たちが地上で見ている流星群は、まさに地球が「チリの集まりに突入して、砂粒を弾き飛ばしながら進んでいる光景」そのものなんです。
なぜ「一点」から飛び出すように見える?

「ふたご座」や「オリオン座」など、ある一点(放射点)から星が飛び出すように見えるのも、実は目の錯覚です。
流星群の流れ星がすべて同じ方向から飛び出すように見えるのは、私たちの視点による 遠近法の効果 です。平行に降ってくるチリの粒を地上から見ると、まるで一点(放射点)から飛び出しているように見えるのです。この放射点のある星座の名前が、その流星群の名前になります
本当は平行に降っているチリが、私たちが猛スピードで突っ込んでいるせいで、一点から放射状に広がって見えるのです。
彗星以外の原因
流星群というと、多くの人は「彗星がまき散らしたチリが原因」と思うかもしれません。それはもちろん正しいのですが――実は 彗星ではない天体 がつくる流星群も存在します。
代表的なのが、毎年 12 月に活動する ふたご座流星群。この流星群の母天体は、なんと 小惑星(アステロイド) なのです。
小惑星番号 3200 番 ファエトン(Phaethon)。見た目はカラカラに乾いた岩のかたまりで、彗星のように尾を引くこともありません。それなのに、なぜチリをまき散らすのでしょうか?
その理由として考えられているのは、
- 太陽に近づいたときに表面が高温になり、岩が砕けてチリを放出する
- 昔は彗星だった名残があり、わずかに物質を吹き出している
といった説です。
このように、「流星群=彗星」の法則には例外もあるんです。空から降り注ぐ光のショーの裏側には、彗星とはちがう“個性派”の天体が関わっていることもあるんですね。
もうすぐ見られる流星群
これから先の流星群は下記で紹介しています。


また、流星群の観察についてはこちらで詳しく解説しています。

宇宙のドライブを楽しんで
そう考えると、流星群の夜というのは、地球が「デコボコ道」を走っているようなものかもしれません。 「お、今年もこのエリアに来たな」なんて思いながら夜空を見上げると、地球のドライブ感が味わえるかもしれません。
それでは、よい夜をお過ごしください。
参考文献
- TIME|The Geminids Meteor Shower Is Peaking. Here’s When and How You Can Best See It
- NASA|Meteors and Meteorites
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