土星は「巨大なプール」があればプカプカ浮かぶ? 宝石のような見た目と、軽すぎる中身の話

土星

天体望遠鏡を買った人が、最初に見たがる星ナンバーワン。 それは間違いなく土星です。

あの美しい「輪っか(リング)」を持った姿は、まさに太陽系の宝石。 望遠鏡で初めてあのリングを見た瞬間、「本当に図鑑の通りだ!」と感動して声を上げてしまう人も少なくありません。

しかし、そんな優雅な見た目の土星ですが、実はその「中身」は意外なほどスカスカであることをご存知でしょうか? 今日は、もしも宇宙に巨大なプールがあったら……という、少し変わった思考実験のお話です。

目次

水に浮くほど「軽い」惑星

土星は、木星に次いで太陽系で2番目に大きな惑星です。 地球の約9倍もの大きさがあり、見た目の存在感は抜群です。

ところが、その「密度」は驚くほど低いのです。 具体的な数字(密度)を挙げると、水が「1.0」であるのに対し、土星は「約0.7」しかありません。

これはどういうことかと言うと、もし土星がすっぽり入る「巨大なプール」やお風呂を用意できれば、土星は沈まずにプカプカと水に浮いてしまうということです。 (ちなみに地球や水星は石のように重いので、すぐに沈んでしまいます)

見た目は豪華な宝石のようですが、中身は水素やヘリウムなどのガスでできていて、綿菓子のようにフワフワな星なんですね。

あのリングの正体は「氷の粒」

土星のトレードマークである「リング」。 遠くから見ると一枚の円盤のように見えますが、実はあれも、無数の「氷の粒」が集まってできています。

粒の大きさは、砂粒のような小さなものから、自動車や家くらいの大きさのものまで様々。 それらが土星の周りを整列して回っているため、遠くから見ると綺麗なレコード盤のように見えているのです。

そして驚くべきことに、あのリングの厚さは、場所によっては数10メートルから数100メートルほどしかありません。 地球数個分という幅の広さに対して、厚みはビル一棟分くらいしかないのです。ものすごく薄い「氷のレース」をまとっているようなものですね。

ガリレオは「耳」だと思った

ガリレオが書いた土星

かつて、初めて望遠鏡で土星を見たガリレオ・ガリレイは、望遠鏡の性能が低かったため、リングを「輪」だと認識できませんでした。 土星の両側に何かがくっついているのを見て、「土星には耳があるあるいは「3つの星が並んでいる」とスケッチに残しています。

その後、技術の進歩によって「耳」の正体が美しいリングだと判明しました。 もしガリレオが今の探査機カッシーニが観測した情報を聞いたら、きっと耳を疑うことでしょう。

まとめ

  • 土星は太陽系で2番目に大きいが、密度は水より小さい。
  • 巨大なプールがあれば、土星は水にプカプカ浮いてしまう。
  • リングの正体は「氷の粒」。幅は広いが、厚みは極端に薄い。

重厚で神秘的に見える土星ですが、実は水に浮くほど軽やかで、氷の粒をまとった涼しげな星。 お風呂に入るとき、ふと「あのアヒルのおもちゃと同じくらい軽いんだな」と思い出すと、土星が少し身近に感じるかもしれません。

Image Credit: NASA

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この記事を書いた人

「深夜の星空喫茶」管理人。 三度の飯より星とコーヒーが好き。飯もちゃんと好き。

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