晴れた夜、空を見上げると、金星や木星が明るく輝いているのを見つけることができます。彼らは地球のご近所さんであり、肉眼でもその存在をはっきりと確かめることができる惑星です。
では、太陽系のさらにずっと奥、私たちの視力では届かない暗闇には何があるのでしょうか。そこには、天王星や海王星といった「巨大氷惑星」と呼ばれる星たちが静かに回っています。
「氷の惑星」と聞くと、スケートリンクのようにカチコチに凍りついた、真っ白で冷たい世界を想像するかもしれません。しかし、実際の彼らの姿は、私たちが地球で知っている「氷」のイメージとはまったく異なるものなのです。

巨大氷惑星の「氷」は冷たくない?
巨大氷惑星とは、水・アンモニア・メタンなどの「氷」と呼ばれる物質を多く含む巨大惑星のことです。
実は、天文学の世界では、岩石やガス以外の「水、アンモニア、メタン」などの成分をまとめて「氷」と呼ぶ習慣があります。つまり、巨大氷惑星という名前は「カチコチに凍っている」という意味ではなく、「水やメタンをたくさん含んでいる星」という意味なのです。

圧力鍋のような内部構造
彼らの内部は、決して冷たいわけではありません。むしろ、想像を絶するほど熱い世界です。
惑星の奥深くには、マントルと呼ばれる、中心の核と表面の大気の間にある、分厚くて熱い液体の層が存在しています。何万キロメートルも積み重なった大気がものすごい重さでのしかかっているため、このマントルは数千度の高温と巨大な圧力のため、水・アンモニア・メタンなどの物質は、氷でも蒸気でもない「高温の流体」として存在していると考えられています。
例えるなら、火にかけた「圧力鍋」の中身のような状態です。巨大氷惑星は、分厚い大気の下に高温の氷マントルが広がる、巨大な流体の世界とも言える存在なのです。
太陽系の果てを回る「青い双子」
そんな巨大氷惑星として私たちの太陽系に存在しているのが、「天王星」と「海王星」です。彼らは大きさも成分もよく似ているため、宇宙の奥深くで寄り添う「双子」のように扱われることもあります。
天王星は、太陽系で内側から7番目の惑星です。最大の特徴は、コマが横倒しになったように、ゴロゴロと転がるように太陽の周りを回っていることです。はるか昔に巨大な星がぶつかって傾いてしまったと考えられていますが、そののんびりとした動きはどこかユーモラスでもあります。

一方、海王星は太陽系で一番外側、8番目を回る惑星です。地球から最も遠く、太陽の光も熱もわずかしか届きません。しかし、その分厚い大気の中では、太陽系で最も激しいとされる猛烈な風が吹き荒れており、静かな見た目とは裏腹にとてもダイナミックな星です。

なぜあんなにも美しい青色なのか
天王星は淡い水色、海王星は深い海のような青色をしています。この美しい色の秘密は、彼らを包む大気に含まれる成分にあります。
その成分とはメタンです。メタンとは、地球ではガスとして燃えるが、宇宙では氷惑星を青く染める役割を持つ物質です。
太陽の光には、虹色のようにさまざまな色の光が含まれています。巨大氷惑星の大気にあるメタンは、太陽光の中の「赤い光」を吸収しやすい性質を持っています。そのため、大気に当たった光のうち、赤い光は吸い込まれ、吸収されなかった「青い光」だけが宇宙空間に反射されます。
私たちが写真で見るあの神秘的な青色は、彼らが太陽の光を浴びて、青い光だけを遠く離れた地球に向かって投げ返してくれている姿なのです。
海王星が天王星より濃い青色に見える理由は完全には解明されておらず、大気中の粒子(エアロゾル)が関係している可能性が指摘されています。
夜空の奥行きを感じるために
天王星も海王星も、街の明かりの中では肉眼で見つけることはできません。
しかし、「見えないからそこに何もない」わけではありません。今夜、明るく輝く星々のさらにずっと向こう側、光すら届きにくい冷たい宇宙の奥底に、圧力鍋のように熱い青色の海をたたえた巨大な惑星が、今この瞬間も静かに回っている。
そう想像するだけで、いつもの平坦な夜空が、果てしない奥行きを持った空間として感じられるのではないでしょうか。次に夜空を見上げるときは、見えない青い星たちの存在に、少しだけ思いを馳せてみてください。


参考文献
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