
みなさま、アートは好きですか?わたしは花が好きで、とくにユウスゲが好きです。静岡県にあるゆうすげ公園といえば星も綺麗に見えます。
今日ご紹介するのは、星ではなく「星が描くアート」のお話。 「惑星状星雲(Planetary Nebula)」です。
前回、星の燃えかすである「白色矮星」のお話をしましたが、この惑星状星雲は、その白色矮星が生まれる瞬間にだけ見られる、奇跡のような景色なのです。

惑星……ではない?
まず最初に、名前の誤解を解いておきましょう。 「惑星状星雲」という名前ですが、惑星とは何の関係もありません。
昔の望遠鏡で見たときに、ボヤッとしていて丸い形が「惑星(天王星など)」に似ていたため、天文学者がそう名付けてしまったのです。 その正体は、老いた星(赤色巨星)が死に際に宇宙へ吐き出した、カラフルなガスです。なお、すべての星が惑星状星雲になるわけではなく、太陽程度までの質量の星に限られます。

わずか一瞬のアート
星の寿命は数億年〜数兆年と非常に長いですが、この美しい星雲が見られるのは、わずか1万年〜数万年程度と言われています。 宇宙の時間からすれば、本当に「まばたき」するほどの一瞬の出来事。
中心に残った熱い芯(生まれたての白色矮星)が放つ強烈な紫外線によって、周りに広がったガスが蛍光灯のように光り輝くのです。 燃料が尽きたり、ガスが拡散し中心星が冷えると、この美しい光は二度と見ることはできません。
個性豊かな形と色
惑星状星雲の最大の魅力は、そのユニークな形です。
- 環状星雲(M57): まるでドーナツや指輪のような形。

- キャッツアイ星雲: 猫の目のように複雑で神秘的な模様。

- 亜鈴状星雲: 鉄アレイのような形。

なぜ丸くならずに不思議な形になるのか、まだ完全には解明されていませんが、星が回転していたり、連星(パートナーの星)がいたりすることで、ガスが複雑に噴き出すからだと考えられています。
私たちの未来の姿
そして忘れてはならないのが、私たちの太陽も、いつかこの美しい姿になるということです。 約50億年後、太陽は美しいリング状のガスをまとい、遠くの宇宙から誰かが見たら「綺麗な星雲だな」と感動するような姿になって一生を終えます。
私たちが今吸っている酸素や、体を作っている炭素の一部も、かつてどこかの星がこうして綺麗に撒き散らしてくれたものかもしれません。
星が死ぬときは、ただ消えるだけではない。 最後にありったけの体力を使って、宇宙というキャンバスに最高傑作の花を描いてから去っていく。 そう思うと、夜空の写真を見る目が少し変わりませんか?
儚いからこそ美しい。今夜はそんなガスの花に想いを馳せてみましょう。
参考文献
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