今日ご紹介する星は、ブルー・レモネードのような色をした、 「青色巨星(Blue Giant)」のお話です。天文学的には、青く輝く大質量星は「青色主系列星」や「青色超巨星」に分類されます。本記事では、それらをまとめて「青色巨星」と呼び、その魅力を紹介します。

オリオン座のリゲルや、おとめ座のスピカなど、夜空でひときわ輝くあの一等星たちの多くが、この仲間です。

誰よりも熱く、誰よりも明るい
星の色は「温度」で決まります。 前回ご紹介した黄色い太陽の表面温度は約6,000度ですが、青色巨星は桁違い。1万度〜3万度以上という凄まじい高温で燃えています。
あまりにエネルギーが強いため、私たちの目には「青白く」輝いて見えます。 彼らは宇宙の「エリート階級(O型・B型星)」であり、その明るさは太陽の数千倍〜数万倍。だからこそ、何百光年も離れていても、地上から肉眼ではっきりと見えるのです。
生き急ぐ「浪費家」たち
彼らは生まれながらにして巨大で、大量の燃料(ガス)を持っています。 「それなら長生きするだろう」と思いきや、実は真逆です。
彼らは持っている燃料を、猛烈な勢いで燃やし尽くしてしまいます。 例えるなら、「ガソリンタンクは大きいけれど、アクセル全開で走り続けるスポーツカー」のようなもの。
- 赤色矮星(エコカー): 数兆年生きる。
- 黄色矮星(ファミリーカー): 100億年生きる。
- 青色巨星(スポーツカー): わずか数百万年〜数千万年で寿命を迎える。
宇宙の歴史から見れば、彼らの一生は「花火」のように一瞬の出来事なのです。


最期はド派手に「超新星爆発」
「太く短い」彼らの最期は、壮絶です。 燃料が尽きると、自らの重さに耐えきれずに一気に潰れ、「超新星爆発(スーパーノバ)」という宇宙最大級の大爆発を起こしてその生涯を閉じます。

しかし、その死は無駄ではありません。 爆発の凄まじいエネルギーの中で、爆発の極限環境では、金やプラチナといった重い元素が生まれます。近年では、中性子星同士の衝突も重要な生成源だと分かってきましたが、その舞台を用意するのもまた、大質量星の最期なのです。 私たちが今身につけているアクセサリーの素材は、遥か昔、どこかの青い巨星が命を懸けて爆発した名残なのかもしれません。
そして爆発の後には、「中性子星」や、あの「ブラックホール」という怪物を残すこともあります。 死してなお、宇宙に強烈なインパクトを残し続けるのです。

短命であることを恐れず、持てるエネルギーの全てを一瞬で解き放つ青色巨星。 「長く続くことだけが幸せなのか?」 そんな哲学的な問いを投げかけられているような気がします。
夜空で青白く輝く星を見つけたら、思い出してあげてください。 彼らが今、命を燃やして輝く「最高にカッコいい一瞬」を見せてくれていることを。
参考文献
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