木星の大赤斑とは?|地球を守る“盾”としての巨大惑星

夜空を見上げると、ひときわ明るく、王者の貫禄を放って輝く星があります。 太陽系最大の惑星、木星です。

その大きさは地球の約11倍、質量はなんと318倍。 ローマ神話の主神「ジュピター(ゼウス)」の名を持つこの巨人は、ただ大きいだけではありません。

実は、この木星がいなければ、私たち人類は地球に存在していなかったかもしれない……という説があるのをご存知でしょうか?

今日は、嵐吹き荒れるガスの巨星が、密かに地球を守ってくれている「頼もしい役割」についてお話しします。

目次

木星の基本データ(大きさ・重力・公転・自転)

木星
Image Credit: NASA, ESA, STScI, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

そのまえに、木星の基礎的なデータについてお話しします。

木星は、太陽系の中でもっとも大きな惑星です。直径はおよそ14万kmもあり、地球を横に並べると11個分ほどになります。体積で見ると、地球が1300個以上もすっぽり入ってしまうほどの巨大さです。

位置は火星と土星の間にあります。

この大きさのため、木星はとても強い重力を持っています。質量は地球の約318倍もあり、太陽系の他の惑星すべてを合わせたよりも重たいほどです。その強い重力が、周囲の小天体を引き寄せ、太陽系全体のバランスにも大きな影響を与えています。

木星は「ガス惑星」と呼ばれるタイプの惑星で、地表のような固い地面はありません。主成分は水素とヘリウムで、分厚い雲の層が何重にも重なっています。中心には岩石や金属でできた核があると考えられていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。

木星の一日は、とても短いのも特徴です。自転が非常に速く、約9時間55分で1回転します。これは太陽系の惑星の中でも最速クラス。そのため、木星は自転の遠心力で少し横に広がった形をしています。

一方、太陽のまわりを一周するのには約12年かかります。木星は太陽から遠いため、季節の変化は地球ほどはっきりしていませんが、長い年月をかけてゆっくりと太陽の周りを回っています。

また、木星は非常に強い磁場を持つ惑星でもあります。この磁場がつくる「磁気圏」は、太陽系最大級で、木星のまわりには激しい放射線環境が広がっています。その影響で、木星の極域では巨大なオーロラが発生していることも確認されています。

300年以上消えない「台風」の目

木星の写真を見ると、表面に巨大な「赤い目玉」のような模様があるのが分かります。 これは「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれるもので、実は巨大な台風の渦です。

この「目玉」の大きさだけで、なんと地球がすっぽり2〜3個も入ってしまうほど。 しかも、観測が始まってから300年以上もの間、消えることなく吹き荒れ続けているのです。

時速数百キロという猛烈な暴風が吹き荒れる、恐怖の世界。 もし近くに行けばひとたまりもありませんが、実はこの「恐ろしいほどの重力と大きさ」こそが、私たちにとっての救いになっているのです。

地球への攻撃を防ぐ「掃除機」

太陽系には、惑星になりきれなかった無数の岩石や氷(小惑星や彗星)が漂っています。 これらが地球に衝突すれば、恐竜が絶滅したときのような大惨事になりかねません。

しかし、太陽系には木星がいます。 木星はその桁外れに強い重力を使って、地球の方へ飛んできそうな小惑星や彗星を、自分のほうへグイッと引き寄せてしまうのです。

まるで巨大な掃除機のように、危険な天体を吸い込んだり、あるいは太陽系の外へ弾き飛ばしたりしてくれています。 これを「木星の盾(シールド)」説と呼びます。

1994年の衝撃

木星の目
Image Credit: NASA and H. Hammel, MIT

この「盾」の役割を、人類が目の当たりにした出来事がありました。 1994年、「シューメーカー・レヴィ第9彗星」という彗星が木星に衝突したのです。

彗星は木星の重力でバラバラに引き裂かれ、次々と木星の表面に突っ込みました。 そのときにできた衝突の痕(キズ)ひとつでさえ、地球サイズに匹敵する大きさでした。もしあれが地球に落ちていたらと思うと、ゾッとしますね。

木星は自らの身を挺して、危険な天体を受け止めてくれているのです。

まとめ

  • 木星にある「大赤斑」は、地球がまるごと入るサイズの巨大な台風。
  • 木星の強大な重力は、地球に向かう小惑星や彗星を引き寄せる「掃除機」の役割を果たしている。
  • 「木星の盾」のおかげで、地球への天体衝突が減り、生命が育つ環境が守られた可能性がある。

夜空に輝く木星を見つけたら、その「大きさ」だけでなく、「優しさ」にも思いを馳せてみてください。 無口なボディガードが、今夜も遠くで私たちを見守ってくれているのかもしれません。

参考文献

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この記事を書いた人

「深夜の星空喫茶」管理人。 三度の飯より星とミルクティーが好き。飯もちゃんと好き。

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