【おとめ座】地上を去った正義の女神と、手に握られた「麦の穂」の希望

夜空にはたくさんの星があり、それらを結んで想像する星座も多くの種類があります。そのなかでも一般に広く知られているのは、星占いの12星座ではないでしょうか。そんな12星座のうち、全天で2番目に広い面積を持つ、おとめ座について解説していきます。

おとめ座
目次

神話:地上を見捨てなかった最後の神

おとめ座のモデルとなっているのは、正義の女神「アストライア」だと言われています。

はるか昔、人間と神々が地上で一緒に暮らしていた「黄金の時代」がありました。 しかし、人間たちは次第に嘘をつき、争い、武器を作って殺し合うようになってしまいます。 神々はそんな人間に失望し、一人、また一人と天上へ帰っていきました。

けれど、正義の女神アストライアだけは、「まだ人間には希望があるはず」と信じ、最後まで地上に残って人々に正義を説き続けました。 しかし、争いは激しくなるばかり。 ついに彼女も限界を迎え、翼を広げて天へと昇り、おとめ座になったと伝えられています。

彼女の隣には、善悪を測るための「天秤(てんびん座)」が今も置かれています。


注目の星:春の真珠「スピカ」

おとめ座の女神の左手に、一点の曇りもなく輝く純白の星があります。 それが1等星の「スピカ(Spica)」です。

スピカとは、ラテン語で「麦の穂」という意味。 日本ではその白く清らかな輝きから「真珠星(しんじゅぼし)」という美しい和名でも呼ばれています。

春の夜空、北斗七星の柄のカーブをそのまま南へ伸ばしていくと、オレンジ色の星(うしかい座のアークトゥルス)を通り、その先で白いスピカに辿り着きます。 この雄大な夜空のラインを「春の大曲線」もしくは「春の反比例」と呼びます。

お隣のしし座のレグルスが「王の星」なら、スピカは「豊穣の星」。 この星が東の空から昇ると、農家の人々は「種まきの季節が来た」と喜び、仕事を始めたそうです。 スピカは、私たちに実りと希望を教えてくれる星なのです。


星の科学:実は双子? スピカの激しい動き

清楚で大人しそうに見えるスピカですが、科学の目で見ると、かなり「激しい」一面を持っています。

実はスピカも、ふたご座のカストルと同じく、2つの星が回っている「連星」です。 しかし、カストルと違うのは、「2つの星の距離が極端に近い」ということ。

地球と太陽の距離よりも遥かに近い距離で、2つの巨大な星が猛スピード(わずか4日!)でグルグルと回り合っています。 あまりに近すぎてお互いの重力で引っ張り合い、星の形が丸ではなく「ラグビーボール状」に歪んでしまっているほどです。(これもしし座のレグルスと似ていますね!)

お互いの表面が触れ合いそうなほどの距離で、身を削りながら回っている。 その激しいエネルギーが、地球まで届くあの鋭く美しい「純白の光」の正体なのです。


おとめ座を見つけるには、春の夜空で「春の大曲線」を辿るのが一番の近道です。 曲線の終着点に輝く、青白い真珠を探してみてください。

参考文献

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「深夜の星空喫茶」管理人。 三度の飯より星とミルクティーが好き。飯もちゃんと好き。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次