太陽系の成り立ちとは?|太陽と8つの惑星が生まれた仕組み

夜空に輝く惑星を見上げると、不思議な疑問が浮かびます。

なぜ、太陽の周りにはちょうど8つの惑星が、あの順番で並んでいるのでしょうか。なぜ内側には岩の星があり、外側にはガスの巨人がいるのでしょうか。

太陽系の「今の姿」には、46億年前に起きた出来事の痕跡が刻まれています。この記事では、宇宙に漂うチリとガスの雲が、どのようにして太陽と8つの惑星を生み出したのか、その仕組みを順を追って解き明かします。

An artist's concept of our solar system. The planets, moons, asteroids, and other objects are not to scale.
Image Credit: NASA/JPL-Caltech
目次

太陽系誕生の舞台|星間分子雲とは

すべての始まりは、宇宙空間に漂う「星間分子雲」と呼ばれるガスとチリの巨大な雲でした。

星間分子雲とは、水素を中心とした気体と、ケイ素や炭素などの固体微粒子(チリ)が広大な宇宙空間に薄く漂っている領域のことです。直径が数十光年にも及ぶ、宇宙スケールの「材料倉庫」です。

この雲は、何かのきっかけ、おそらく近くで起きた超新星爆発の衝撃波によって、ある一点に向かって収縮を始めました。重力は、質量があるものを引き寄せます。わずかでも密度が高い場所ができると、そこに周囲のガスがさらに集まり、収縮が加速していきます。

原始太陽の誕生|重力収縮と回転

収縮が進むにつれて、雲の中心部はどんどん圧縮されていきます。圧縮されると温度が上がります。

この段階の天体を「原始星」と呼びます。

やがて中心部の温度が約1000万℃に達したとき、水素の原子核が融合してヘリウムに変わる「核融合」が始まります。核融合が点火した瞬間、原始太陽は本物の「恒星」として誕生しました。

ここで重要な現象があります。収縮する雲は、必ずわずかに「自転」しています。フィギュアスケーターが腕を縮めると回転が速くなるように(角運動量の保存)、収縮すればするほど回転は速くなります。その結果、中心に向かって落ちていけないガスとチリが、太陽の周りに平たい「円盤」を形成しました。これを原始惑星系円盤と呼びます。

惑星の種はどうやって育ったのか|微惑星から原始惑星へ

円盤の中のチリは、互いにぶつかり合いながら少しずつくっつき合っていきました。

最初は砂粒ほどの大きさだったものが、小石になり、岩になり、やがて直径数キロメートルから数十キロメートルの「微惑星」へと成長していきます。数億個もの微惑星が円盤の中を公転しながらぶつかり合い、大きなものが小さなものを次々と取り込んでいく「暴走成長」と呼ばれるプロセスを経て、直径数千キロメートルの「原始惑星」が生まれました。

この段階で、太陽系には数十個の原始惑星が存在していたと考えられています。

なぜ内側は岩で、外側はガスなのか|雪線の役割

ここで、雪線が決定的な役割を果たします。

太陽に近い内側は温度が高く、水や二酸化炭素、メタンなどの揮発性物質はすべて蒸発してしまいます。残れるのは、融点の高い岩石や金属だけです。材料が少ないため、内側では小さな岩石惑星(水星・金星・地球・火星)しか育ちませんでした。

一方、雪線の外側では、水が氷として固体になれます。氷が固体として存在できるため、惑星の材料そのものが大幅に増加します。巨大な岩石のコアを素早く作ることができた外側の原始惑星は、その強力な重力で周囲の水素やヘリウムのガスを大量に引き寄せ、木星や土星へと成長していったのです。

太陽系形成の「仕上げ」|後期重爆撃期と現在の姿

太陽が誕生してしばらくの間、太陽系は現在よりもはるかに混沌としていました。

惑星の軌道はまだ安定しておらず、巨大惑星が移動したことで微惑星が四方八方に弾き飛ばされ、内側の惑星に大量に降り注いだ時期があったと考えられています。これを後期重爆撃期と呼ぶ説があります。ただし近年では、この時代に本当に衝突が急増したのかについては議論が続いています。

地球の水も、雪線の外側で形成された氷を含む微惑星が運んできた可能性が高いと考えられています。

その後、残ったガスは太陽風に吹き飛ばされ、軌道が交差する惑星どうしは最終的に衝突・合体して数を減らし、やがて現在のような安定した8惑星の配置が完成しました。この一連のプロセスに要した時間は、数千万年から1億年ほどです。

今夜の視点(まとめ)

太陽系がどうやってできたかを整理すると、こうなります。

  • 宇宙のガスとチリが重力で収縮し、中心に太陽が、周囲に回転する円盤が生まれた
  • 円盤の中でチリが合体を繰り返し、微惑星・原始惑星へと成長した
  • 雪線を境に、内側は岩石惑星、外側はガス・氷惑星という構造が決まった
  • 混沌とした衝突の時代を経て、現在の安定した太陽系が完成した

夜空に輝く惑星は、46億年前の「材料」が今も残っている姿です。

木星の縞模様も、土星のリングも、地球の海も、すべてはあの原始の円盤から始まっています。今夜、惑星を見つけたとき、その光の奥に「星の材料が集まっていく46億年前の円盤」を思い浮かべてみてください。

参考文献

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この記事を書いた人

「深夜の星空喫茶」管理人。 三度の飯より星とミルクティーが好き。飯もちゃんと好き。

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